単色印刷
シルクスクリーンプリント
シルクスクリーンプリントは、孔版印刷の一種で、メッシュ状の版にインクを通過させる穴を作り、その穴を通してインクを押し出すことで印刷する技法です。Tシャツやトートバッグなどの布製品をはじめ、雑貨や文房具、工業製品など幅広い用途に活用されています。
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アパレル制作
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プリント加工
【2分でプリント方法が分かる!】 シルクスクリーンプリント 編
I. シルクスクリーンプリントとは?
シルクスクリーンプリントは、孔版印刷の一種で、メッシュ状のスクリーンを用いてインクを素材に押し出す印刷方法です。版画のように、インクを乗せたくない部分はスクリーンの孔を塞ぎ、インクを乗せたい部分だけ孔を開けてインクを通します。この独特な印刷方式により、他の印刷方法では表現できない独特の風合いと鮮やかな発色が実現します。オリジナルプリント.jpでは、国内最大級のシルクスクリーンキャパシティを有しています。また、小ロットの時にお得な版代がかからない「簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン)」等の加工方法の開発も行っています。
シルクスクリーンプリントの特徴とメリット
- 鮮やかな発色と高い耐久性: シルクスクリーンプリントは、インクを厚く乗せることができるため、非常に鮮やかな発色を実現します。また、インクがしっかりと素材に定着するため、摩擦や洗濯にも強く、耐久性に優れています。長持ちするプリントをお求めの方には最適な印刷方法です。
- 多様な素材への印刷が可能: 布製品はもちろん、プラスチック、金属など、様々な素材に印刷が可能です。Tシャツやトートバッグといった定番アイテムだけでなく、タンブラー、ノベルティグッズなど、幅広い用途で活用できます。
他のプリント方法との比較(インクジェット、転写など)
シルクスクリーンプリントは、他のプリント方法と比較して、以下のような特徴があります。オリジナルプリント.jpが提供する「簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン)」も合わせて比較しています。
シルクスクリーンプリント | 簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン) | インクジェットプリント | 転写プリント(DTF) | |
---|---|---|---|---|
発色 | 鮮やか | 鮮やか | ナチュラル | 鮮やか |
耐久性 | 高い | 高い | 普通 | 普通 |
適した素材 | 多様 (布、紙、プラスチックなど) | 多様 (布、紙、プラスチックなど) | 紙、一部布 | 布、一部プラスチック、陶器 |
細かいデザイン | 網目影響で精細表現に制限 | 比較的細かい表現は苦手 | 細部表現可能 | 細部表現可能 |
色数 | 1色増えるごとに版が必要 | 1色のみ | フルカラー対応 | フルカラー対応 |
版代 | 8,250円 | 不要 | 不要 | 不要 |
小ロット価格 | 版代が発生 | 版代不要で低コスト | 版代不要で低コスト | 版代不要で低コスト |
大ロット価格 | 1枚当たりのプリント代が非常に安価 | 安価 | 標準 | 標準 |
シルクスクリーン印刷の仕組みを簡単に解説
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1.版の作成
メッシュ状のスクリーンに感光乳剤を塗布し、デザインを印刷したフィルムを密着させて露光します。露光された部分は硬化し、露光されなかった部分は水で洗い流すことで、デザイン通りの孔ができます。
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2.印刷
スクリーンを印刷物に密着させ、スキージーと呼ばれるヘラでインクを押し出します。インクはスクリーンの孔を通って素材に定着し、プリントが完成します。
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3.乾燥
印刷後、インクを乾燥させます。インクの種類によっては、熱を加えて乾燥を促進させる場合もあります。
※こちらは一般的なシルクスクリーンプリントの手順です。加工方法や加工機種により多少異なる場合があります。
シルクスクリーンプリントの種類と特徴
オリジナルプリント.jpでは、手動・自動印刷の通常シルクスクリーンと、当社開発の簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン)を採用し、高品質なシルクスクリーンプリントを提供しています。用途やご予算に合わせて最適な方法をお選びいただけます。
シルクスクリーンプリント
入稿方法 | web / 完全データ入稿 |
---|---|
対応データ形式 | JPG/PNG/GIF/BMP/AI/PSD/PDF/EPS形式 |
色数 | 多色刷りや印刷箇所などのご相談も承ります。 ※Web上のデザインツールでは最大3色まで |
インク色 |
DICカラーやPANTONEカラーなどの特色指定できます。 |
簡易シルクスクリーンプリント
入稿方法 | web / 完全データ入稿 |
---|---|
対応データ形式 | JPG/PNG/GIF/BMP/AI/PSD/PDF/EPS形式 |
色数 | 1色 |
インク色 |
基本指定色:15色(※30枚以上のご注文なら特色含む色指定可) |
シルクスクリーンプリントの長所
- インクでプリントするため、ご希望とおりの色でプリントが可能です。
- 金・銀・蛍光色など特色インクによる印刷が可能です。
- 枚数が多くなるほど割安になります。
- 製版代が必要なのは最初のオーダーだけ。追加は刷代のみでOKです!(在版期間は1年間)
シルクスクリーンプリントの短所
- 少ない枚数のプリントや色数の多いプリントは、版代(8,250円)が発生するため1枚あたりのコストが割高になってしまいます。
- 中綿の入ったジャンパーや、裏生地の厚いブルゾン・ジャンパー等へのプリントはできない場合があります。
- ドライクリーニングはできません。ドライクリーニング必要な場合は、他の加工方法となります。
- ポリエステル系のジャンパーでは、日が経つとプリント面に生地の色が出てしまう場合があります。(逆昇華)
手動印刷 (手刷り)
手動の印刷機または手作業で印刷する方法です。少量のプリントや、独特の風合いを出したい場合に適しています。DIYでも手軽に始めることができます。自動印刷
自動印刷機を用いて印刷する方法です。大量生産や、高い精度が求められる場合に適しています。簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン)
イメージ・マジックが開発した、版代不要の革新的なシルクスクリーンプリントです。製版にかかる時間とコストを大幅に削減し、さらに環境負荷も軽減することに成功しました。従来のシルクスクリーンプリントと同様の鮮やかな発色と耐久性を実現しつつ、版代が発生しないため小ロット印刷がお得に作成できます。一般的なシルクスクリーン印刷よりも細かいデザイン表現は難しいですが、インクジェットプリントやカッティングシートでは出せない、シルクスクリーン印刷独特の仕上がりと風合いを、手軽に実現できます。回転シルクスクリーンプリント
円筒形や曲面のあるアイテム、特にプラスチックや金属製のタンブラー、ボトル、ペンなどに特化したシルクスクリーンプリント方法です。アイテムを回転させながら印刷するため、360度全面へのプリントが可能です。精度の高い位置調整が必要とされるため、熟練の技術が求められます。
手動印刷 (手刷り) | 自動印刷 | 簡易シルクスクリーン(IMシルクスクリーン) | 回転シルクスクリーンプリント | |
---|---|---|---|---|
プリントできる素材 | 綿、ポリエステル、ナイロン、レザー | 綿、ポリエステル、ナイロン | 綿、ポリエステル、紙 | ステンレス、樹脂、他 |
適正ロット | 20枚~ | 100枚~ | 5枚~ | 50個~ |
加工費 | 激安 | 激安 | 安い | 安い |
インク | 油性、水性 | 油性、水性 | 水性 | 水性UVインク | 版の網目(メッシュ) | 細かい | 細かい | 普通 | 細かい |
II. シルクスクリーンプリントの仕上がりと耐久性
インクの種類と特性
シルクスクリーンプリントで使用されるインクは、主に油性インクと水性インクに大別されます。その他にも、特殊な効果を持つインクも多数存在します。
油性インク
耐久性が高く、洗濯にも強いのが特徴です。鮮やかな発色で、布製品へのプリントに最適です。水性インク
油性インクに比べて環境負荷が低く、通気性も良いため、肌に触れる衣類へのプリントに適しています。ただし、油性インクに比べると耐久性は若干劣ります。その他特殊インク
発泡インク、蛍光インク、ラメインクなど、様々な特殊インクがあります。これらを活用することで、より個性的な表現が可能です。
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メタリックインク
金属のような光沢を持つ水性インクです。高級感のあるプリントが可能です。
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ラメインク
ラメが入った水性インクです。キラキラと光る華やかなプリントが可能です。
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蛍光インク
暗い場所でも光る水性インクです。イベントグッズやクラブグッズなどに人気があります。
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発泡インク
加熱すると膨らむ水性インクです。立体感のあるプリントが可能です。
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HDプリント
厚いクリアインク層をつくることで、デザイン面を立体化させるプリント方法です。
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ひび割れプリント(クラックプリント)
クラックプリント専用インクを使用することで、古着のようなプリントの経年劣化を表現できます。
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油性インク
プラスティゾルインクは最も一般的な油性インクで、伸縮性があり洗濯耐久性に優れています。Tシャツやバッグなどのプリントによく使われます。
インクを指定してご注文する場合はこちらからご相談ください。
下記の表は、インクの種類、特性、洗濯堅牢度、耐摩擦性などをまとめたものです。
インクの種類 | 特性 | 洗濯堅牢度 | 耐摩擦性 | 用途 |
---|---|---|---|---|
油性インク | 鮮やかな発色、高い耐久性 | 優良 | 優良 | Tシャツ、トートバッグなど |
水性インク | 環境負荷が低い、通気性良好 | 良好 | 良好 | Tシャツ、エコバッグなど |
発泡インク | 熱を加えると発泡する | 良好 | 良好 | ロゴ、イラストなど |
蛍光インク | 暗闇で光る | 可 | 可 | イベント用Tシャツなど |
ラメインク | キラキラとした輝き | 良好 | 良好 | デコレーションなど |
ユニークな技法:油性インクと水性インクの組み合わせ
油性インクの上に水性インクを重ねてプリントすることで、経年劣化とともに水性インクが剥がれ落ち、下地の油性インクが徐々に現れるというユニークな表現が可能です。ヴィンテージのような風合いを楽しみたい方におすすめです。
仕上がりサンプル集
オリジナルプリント.jpで取り扱いのある商品を中心に、様々な素材へのプリントサンプルをご紹介します。
洗濯や摩擦に対する耐久性
シルクスクリーンプリントは耐久性が高いですが、適切な洗濯方法を守ることで、より長く美しい状態を保つことができます。
洗濯方法
プリント面を裏返して洗濯ネットに入れ、中性洗剤を使用してください。乾燥機のご使用はお避けください。アイロンがけ
プリント面を避け、裏側からアイロンをかけてください。高温でのアイロンがけは避けてください。
応用テクニック
シルクスクリーンプリントでは、様々な応用テクニックを用いることで、より高度な表現が可能です。
重ね刷り
複数の色を重ねて印刷することで、グラデーションや複雑な色合いを表現できます。抜染プリント
生地の色を抜いてプリントする方法です。独特の風合いが特徴です。主に濃色の生地に使用されます。発泡プリント
特殊なインクを使用することで、プリント部分が盛り上がり、立体的な表現が可能です。インクジェットプリントとの併用
近年では、インクジェットプリントとシルクスクリーンプリントを併用するケースも増えてきています。例えば、下地の色をシルクスクリーンプリントで印刷し、その上にインクジェットでデザインを印刷することで、より表現の幅を広げることが可能です。刺繍との組み合わせ
シルクスクリーンプリントと刺繍を組み合わせることで、より高級感あふれるオリジナルグッズを作成できます。例えば、Tシャツの胸元にワンポイントの刺繍を入れ、背中にシルクスクリーンプリントで大胆なデザインを施すなど、それぞれの技法の特性を活かした表現が可能です。
III. デザインデータ作成ガイド
シルクスクリーンプリントに適したデザイン
推奨解像度、対応ファイル形式、カラーモード
- 解像度:300dpi以上推奨
- ファイル形式:AI、PSD、PNG、JPEG (推奨はベクターデータのAI、PDF)、※JPEGの場合はアップロード時の切り抜き処理が必要となります。
- カラーモード:CMYK(特色をご希望の場合はご相談ください)※デザインツールで入稿される場合はRGBカラーとなります。
デザインの表現力:単色刷りの魅力と活用法、多色刷りの注意点
シルクスクリーンプリントは、単色刷りでシンプルながらも力強いデザインを表現することができます。また、多色刷りも可能ですが、色数が増えるごとに版が必要となるため、コストが増加します。デザインの複雑さや予算に合わせて、最適な色数を選択しましょう。単色刷りは、イラストやロゴ、タイポグラフィなど、シンプルなデザインでその魅力を最大限に発揮します。多色刷りは、写真やグラデーションなど、複雑なデザインを表現できますが、版ズレのリスクがあるため注意が必要です。
回転シルクスクリーンプリントの場合、円周方向のデザインの繰り返しや、持ち手部分の避け方など、デザインの配置に工夫が必要です。
データ作成の手順
- Adobe Photoshopを使用したデータ作成方法:
Photoshopで作成したラスタデータも使用できますが、解像度が低いと印刷が粗くなるため、高解像度での作成が必須です。
元の写真 | RGBからグレースケールに変換します。 | 明るさやコントラストを調整します。不要な箇所は予めレタッチしておきます。 |
フィルター>フィルターギャラリー>カットアウト 画像のようなイラスト風にする場合の参考値 レベル数:2 エッジの単純さ:7~8 エッジの正確さ:1 ※画像の内容により適切な数値を探求します。 |
明るさやコントラストを調整 メリハリのある色調になるよう調整します。 |
モノクロ2階調に変換 種類は「50%を基準に2階調に分ける」を使用します。 |
背景を削除して透過画像にします。 モノクロ2階調からグレースケール→RGBまで戻し(サイズ比1)、 選択範囲>色域指定で背景色を選びます。 |
出来上がった選択範囲を確認し、Deleteキーを推すと背景が削除される | 残った印刷したい部分を選択し、Black100%で塗りつぶします。 最後に、1つのレイヤーになっている事を確認し、PSD、PNG形式で保存します。 ※透過部分が無くなってしまうため「画像統合」しないよう注意 |
デザインツールに画像をアップロードします。 背景削除ダイアログでは「そのまま」を選択します。 配置したら印刷したいカラーで着色します。 |
プレビューで仕上がりを確認し、問題なければ完成となります。 |
フルカラー写真の加工方法
フルカラー写真をシルクスクリーンプリントで再現するには、色分解やハーフトーン処理が必要です。
- 色分解:フルカラー画像をCMYKの4色に分解する作業です。
- ハーフトーン処理:色の濃淡を網点の大きさで表現する処理です。網点の粗さによって、仕上がりの印象が変わります。
元の写真 | 明るさやコントラストを調整し、不要な箇所は予めレタッチしておきます。 フィルター>フィルターギャラリー>カットアウト 画像のようなイラスト風にする場合の参考値 カットアウト1 レベル数 2 エッジの単純さ 6 エッジの正確さ 1 カットアウト2 レベル数 7 エッジの単純さ 5 エッジの正確さ 1 ※画像の内容により適切な数値を探求します。 |
色数が減り、イラスト調になりました。 |
背景の色を削除します。 選択範囲>色域指定 スポイトで背景の黒っぽい部分をクリック 許容量100>OK ※画像の内容により適切な数値を探求します。 |
Delで削除して透明にします。 一旦保存し、同じデータを3つ複製(3色分)しておきます。 保存1のデータ:帽子や衣服部分のみ 保存2のデータ:肌色1の部分に使用 保存3のデータ:肌色2の部分に使用 |
保存1のデータ:帽子や衣服部分のみ グレースケール化→モノクロ2階調を経て必要な部分飲み残して削除します。 |
保存2や、保存3のデータを開き、それぞれの肌色部分のみを残して他を削除します。 | 保存2のデータ:肌色1の部分に使用 グレースケール化→モノクロ2階調を経て必要な部分飲み残して削除します。 |
保存3のデータ:肌色2の部分に使用 グレースケール化→モノクロ2階調を経て必要な部分飲み残して削除します。 |
デザインツールに3枚の画像をアップロードします。 背景削除ダイアログでは「そのまま」を選択します。 3枚の画像は、必ず同一座標に配置してずれないようにしてください。 |
配置したら印刷したいカラーで着色します。 | プレビューで仕上がりを確認し、問題なければ完成となります。 |
写真からシルクスクリーン用の網点データを作成する方法
AdobeR Photoshop(R)などの画像レタッチソフトを使用して、写真からシルクスクリーンプリント用のデータを作成する例をご紹介します。
※作業で生成される1~1.3mm以下の点や線は印刷されない場合があります。
写真をシルクスクリーンプリントする場合、以下の3つの壁を越える必要がでてきます。
「版ごとに1色にする」
「色が付く部分以外は透明にする」
「グラデーションは使えない」
・・・困りました。 写真などはこの条件の対極にあるような存在です。 「やっぱりフルカラーでプリントしたい!」というお客様にはホワイトインクジェットプリントやオンデマンド転写での加工がお勧めですが、上の拡大画像のように写真を加工できれば素敵なデザインをプリントする事もできます!
ではPhotoshopRを例に、具体的な画像加工の流れを説明いたします。
元の写真はフルカラーの状態ですが、カラーモードを「グレースケール」に変換します。
レイヤーが統合されている画像の場合は統合された状態を解除します。(レイヤーの「背景」 → 「レイヤー0」)
カラーから白黒の状態になりましたら、フィルタの「スケッチ」から「ハーフトーンパターン」を選びます。(「ピクセレート」の「カラーハーフトーン」でも似たような処理は可能です。) 「ハーフトーンパターン」はパターンタイプの点のサイズを設定し、コントラストは最大にします。 点の最小サイズを大きくすると荒くなりますが、あまり細かくし過ぎる(原寸で1mm以下)と印刷されない場合がございますのでご注意ください。(人物の集合写真などの場合は、この工程で顔の認識ができなくなる場合がございます)
ここまでで、「版ごとに1色にする」「グラデーションは使えない」の2つの条件をクリアできました。 次に「選択範囲」メニューの「色域指定」で選択範囲を作ります。 カーソルのスポイトで「白い部分」をクリックします。「許容量」の値を「0」にして「OK」ボタンをクリックします。 (カラーハーフトーンを適用した場合は、許容量を「30」前後にしてください) 選択範囲が生成されましたので「Delete」キー又は「Back Space」キーを押して白い部分を削除します。
選択範囲を解除して完成です。 これでシルクスクリーンプリントできる条件が整いました。最後に「PNG」や「PSD」形式で保存して終了となります。
実際にデザインツールに アップロードし、確認画面で仕上がりイメージを確認してみましょう。
シルクスクリーン印刷に適したデータとは?
画像やイラストを「シルクスクリーン」でプリントしたい場合、「どのようなデータを用意すればいいのか、よく分からない…」 というお問合せをいただきますので、こちらでご紹介いたします。
最終的にデザインの背景や周囲が透明になっている画像をご用意ください。ファイル形式は、「PNG」「GIF」「AI」「PSD」「PDF」「EPS」を推奨します。
【デザインの制約と注意点】
- デザインの背景や周囲がただ白いだけの画像(白であり透明ではない)はプリントできません。全て塗りつぶされてしまいます。「JPG」形式も入稿できますが、デザインツールにアップロードする際に「背景を消す」をクリックして、背景を除去してください。
- フルカラーイラストや写真などデータは、フルカラープリントできません。(下の表を参照)
- グラデーションやぼかしの入ったデザインは、そのままではプリントできません。デザインを白黒にした上で特殊な画像処理が必要です。(下の表を参照)
- 線の細すぎるとカスレや印刷されないなどの原因になりますので1~1.3mm以上を推奨いたします。
用意した画像と仕上がりイメージ
用意した画像 | アップロードした状態 | プリントの可否 |
---|---|---|
カラー写真画像の状態 ・フルカラー ・デジカメ写真 ・背景は不透明 |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・デフォルトのプリントカラーで全体が塗りつぶされてしまいます。 |
NG デジカメで撮影した写真はシルクスクリーンプリントには向きません。「ホワイトインクジェットプリント」や「オンデマンド転写」をご利用ください。 |
イラスト画像の状態 ・フルカラー ・CG、イラスト作品 ・背景は不透明 |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・デフォルトのプリントカラーで全体が塗りつぶされてしまいます。 |
NG フルカラーのイラストやCG作品は、シルクスクリーンプリントには向きません。「ホワイトインクジェットプリント」や「オンデマンド転写」をご利用ください。 |
白黒写真画像の状態 ・1色(黒のみ) ・デジタル写真 ・背景は不透明 |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・デフォルトのプリントカラーで全体が塗りつぶされてしまいます。 |
NG 「シルク1色プリントで注文したいからモノクロにした」というのは間違いではありませんが、背景が不透明である事と、シルクスクリーンプリントでは黒→白というようにグラデーションの表現ができないため、デザイン全体が、「黒か透明かのどちらかで描画されている」特殊な状態に画像処理が必要になります。 |
透過PNG画像画像の状態 ・1色(黒のみ) ・背景は透明 ・完全に黒か透明に分かれている |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・画像の通りに再現されます。 ・デザインツール上でプリントカラーを変更できます。 |
Good 問題は無く、ほぼイメージ通りの仕上がりとなります。 |
透過PNG画像画像の状態 ・フルカラーのイラスト ・デザインの周りは透明になっている |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・デザインの輪郭の中が塗りつぶされた状態になります。 |
もう少し フルカラーのイラストやCG作品は、シルクスクリーンプリントには向きません。「ホワイトインクジェットプリント」や「オンデマンド転写」をご利用ください。1色だけにした上で、下のデザインのように「線画だけにする・中マドにする」と、シルクスクリーンプリントに適した画像になります。 |
透過PNG画像画像の状態 ・1色(黒のみ) ・背景は透明 ・完全に黒か透明に分かれている |
デザインツールにアップロードした画像アップロード結果 ・画像の通りに再現されます。 ・デザインツール上でプリントカラーを変更できます。 |
Good 問題は無く、ほぼイメージ通りの仕上がりとなります。 |
多色刷りのデータ作成(版分け)
多色刷りの場合は、色ごとに版を作成する必要があります。
- 手動での版分け:PhotoshopやIllustratorで、色ごとにレイヤーを分けて保存する方法です。
- ソフトウェアを使った版分け:専用のソフトウェアを使用して版分けを行う方法です。
入稿データ作成上のご注意
シルクスクリーン
1mm以下のデザインや複雑な模様はご注意
1mm以下の幅のオブジェクト(線や文字含む)は、つぶれや擦れが生じる可能性があります。
またオブジェクトとオブジェクトの間の隙間も1mm以上あける事を推奨します。
例えばスクリーントーンのような細かいドット柄は特につぶれや擦れが起こりやすいです。
複雑なデザインや細かいデザインの場合、ご希望通りの仕上がりにならないことがありますのでご注意ください。
ぼかし効果やグラデーションは不可
少しでもデータ部分のある部分は不透明度100%で印刷されるためぼかしやグラデーションを疑似的に表現されたい場合は網点でのデザイン作成を推奨します。
プリントしたくない背景画像は丁寧に除去を
画像編集ソフトで自動選択ツールで背景画像を選択して除去する場合、背景の選択が充分ではなく背景画像データが残ってしまうことがあります。
また綺麗に除去したつもりでもアンチエイリアスがかかっていて半透明部分が残ることがあります。
僅かでも濃度が0%ではないデータ(ほぼ透明だったとしても)があると、製版機が反応して版が作成され、仕上がりがご希望通りではない結果になる可能性がありますので、背景は丁寧に細かく除去してください。
不要なデータは必ず削除を
ご入稿データに(本当はプリントしたくない)データが残っていた場合でも、当該データの要不要を判断できないため、ご入稿データのままプリントしてしまいますので、不要なデータは必ず削除してください。
完全データ入稿はPSDファイル・AIファイル・PDFファイルで
加工特性上、写真やイラストなどフルカラーのデータは加工へ進行できないため、完全データで入稿する場合はPSDファイル、AIファイル、PDFファイルに限定させていただきます。
パスを含むデータ・効果を使用したデータは必ずラスタライズを
Adobe Illustratorなどを含むグラフィックソフトを使用し、パスを含むデータや、スウォッチ登録したパターン柄などの効果を使用したデータでラスタライズ(=1枚の画像データにすること)をしていないと、ご希望の仕上がりにならない可能性があります。
完全データのレイヤーは慎重に
完全データで入稿される場合、Adobe Illustrator等で色ごとにレイヤーを分けていただきますが、そのレイヤーの順番にご注意ください。
下層レイヤーから上層レイヤーまでその順番で色を塗り重ねていきます。
なお、レイヤー同士でデザインが重なっていると、仕上がりに凹凸やお互いのインク色の影響が生じることがあります。
30点以上のご注文で色指定可
1色につき30点以上でご注文いただいた場合、基本色に加えてDICやPANTONEによる色指定をしていただけます。
1色につき30点以下の場合に色指定されたい場合は、調色(色作り)のためプリント代に追加で税込1,100円頂戴しております。ご希望の場合はその旨を「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。(DICの伝統色は日本のみの対応となります。DICグレイトーン等廃版カラーの色指定はできません。)
なお蛍光色の場合は、決済時の金額とは別に、1枚1箇所あたりプラス税込@110円を頂戴しております。
ご請求金額の変更については、ご注文サポートセンターより改めて連絡させていただきます。(ご注文時には加算されておりません)
- 上記掲載の色見本と実物では色合いが若干異なります。
- 乾いたインクには伸縮性がありません。生地を引っ張ったり、きつく折り曲げたりすると印刷のヒビ割れ、ハガレの原因となります。
- ポリエステル系の生地では、日が経過するとプリント面に生地の色が出てしまう逆昇華現象が発生する場合があります。
- ドライクリーニングはできません。ドライクリーニングが必要な場合は他のプリント方法をご選択ください。
- 中綿の入ったジャンパーや、裏生地の厚いジャンパー等へのプリントはできない場合があります。
- 加工特性上、同じデザインで入稿いただいた場合でも、温度や湿度、加工機の個体差により仕上がり色に違いが出る場合があります。
-
多色対応※デザインツールでは最大3色まで30枚以上なら特色指定も!
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版は1年有効版は1年有効直近のご注文から1年以内なら版代なしで再注文可!
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生地色自由生地色自由ホワイトからブラックまでどんな生地色でも使えます!
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化学繊維OK化学繊維OKインクジェット不可のポリエステルでも使用可能!
基本指定色(30枚以上のご注文なら特色含む色指定可)
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ブラック
DIC581B -
グレー
DIC546 -
パープル
DIC257 -
ピンク
DIC047 -
レッド
DIC197 -
オレンジ
DIC161 -
イエロー
DIC125 -
フォレスト
DIC380 -
グリーン
DIC638 -
ネイビー
ブルー
DIC435 -
ロイヤル
ブルー
DIC220 -
サックス
DIC181 -
ホワイト
DIC583 -
ゴールド
メタリック
DIC620 -
シルバー
メタリック
DIC621
版の再利用について
※プリント方法「簡易シルクスクリーン」対応のアイテムは、版の再利用やインクの色替えは対象外となっております。
詳細は「簡易シルクスクリーン」の加工方法ページをご確認ください。
版の保存期間は1年間
ご注文で作成された版は出荷日から1年間保存しており、次に同一版を使ってプリントされるとさらに1年間延長します。
ただし同一デザインだった場合でも、アイテムが異なりインクや版の仕様(メッシュ等)を変えなければならないときは新版の作成費用を頂くことがあります。
マイページからの再注文による版再利用
「マイページ」にログイン後、過去のご注文履歴から再注文を行なっていただくと、版が自動的に再利用され版代が値引されます。
ただし、再注文時にデザインツールでインク色変更やプリント箇所変更などを行なうと別の版が必要とシステム上判断されることがありますので、その場合は、お手数ですがご注文後に版再利用の旨を「お問い合わせフォーム」より改めてご連絡ください。版に変更がないと判断できた時点で、ご請求金額の調整をいたします。
【1】今回のご注文番号
【2】前回の版番号かご注文番号
【3】今回の使用インクカラー名
別アイテムへの版再利用
版のみをサイト上で呼び出すことができないため、ご希望のアイテムでまずは新規にご注文頂くことになります。
お手数ですが、ご注文後に版再利用の旨を「お問い合わせフォーム」より改めてご連絡ください。版に変更がないと判断できた時点で、ご請求金額の調整をいたします。
※別カテゴリへの版再利用はインクや版仕様が異なるためできません。新規で版を作成することになります。
※同カテゴリでもデザインのサイズやプリント位置、インクや版の仕様(メッシュ等)が異なる場合は再利用ができないことがあります。
※「簡易シルクスクリーン」は版の製法が従来の「シルクスクリーンプリント」と異なります。そのため、過去ご注文いただいた版の再利用や、「シルクスクリーンプリント」の版を「簡易シルクスクリーン」でご利用頂くことはできかねますので予めご了承ください。
【1】今回のご注文番号
【2】前回の版番号かご注文番号
【3】今回の使用インクカラー名
インクの色替え
一度のご注文内において、同一版を使いながら異なるアイテムやボディカラーで異なるインク色でプリントしたい場合、ご注文システム上ご面倒をおかけしますが、ご注文後に以下の内容を「お問い合わせフォーム」より改めてご連絡ください。
【1】ご注文番号
【2】色を替えたいアイテム名やサイズ
【3】変更後のインクカラー名
なお、その際インクの色替え手数料を1版あたり1回1色につき税込1,100円頂戴します。
また以前のご注文と同一の版を利用される際、その版での初回のご注文時と異なるカラーでご注文いただく場合も、ご注文の都度色替え手数料を頂戴しますので予めご容赦ください。
ご請求金額の調整
インクの色替えや既存版の再利用等でご請求金額に変更が生じた場合、ご注文サポートセンターより変更後の金額について改めて連絡させていただきます。 マイページでの金額変更反映に日にちを頂く場合がございます。予めご容赦ください。
追加分のお支払方法や版代調整によるご返金方法につきましては、都度ご案内いたします。
出来る限り速やかな返金対応を心がけておりますが、各金融機関の状況等により遅れる場合がありますのであらかじめご容赦ください。
上記について加工前・出荷前にお問い合わせがない場合は、諸所対応できかねますので、十分ご注意・ご容赦ください。
簡易シルクスクリーン
1.3mm以下のデザインや複雑な模様はご注意
1.3mm以下の幅のオブジェクト(線や文字含む)は、つぶれや擦れが生じる可能性があります。 またオブジェクトとオブジェクトの間の隙間も1.3mm以上必要になります。
例えばスクリーントーンのような細かいドット柄は特につぶれや擦れが起こりやすいです。
複雑なデザインや細かいデザインの場合、ご希望通りの仕上がりにならないことがありますのでご注意ください。
ぼかし効果やグラデーションは不可
少しでもデータ部分のある部分は不透明度100%で印刷されるためぼかしやグラデーションを疑似的に表現されたい場合は網点でのデザインを作成していただく必要があります。
プリントしたくない背景画像は丁寧に除去を
画像編集ソフトで自動選択ツールで背景画像を選択して除去する場合、背景の選択が充分ではなく背景画像データが残ってしまうことがあります。
また綺麗に除去したつもりでもアンチエイリアスがかかっていて半透明部分が残ることがあります。
僅かでも濃度が0%ではないデータ(ほぼ透明だったとしても)があると、製版機が反応して版が作成され、仕上がりがご希望通りではない結果になる可能性がありますので、背景は丁寧に細かく除去してください。
不要なデータは必ず削除を
ご入稿データに(本当はプリントしたくない)データが残っていた場合でも、当該データの要不要を判断できないため、ご入稿データのままプリントしてしまいますので、不要なデータは必ず削除してください。
完全データ入稿はPSDファイル・AIファイル・PDFファイルで
加工特性上、写真やイラストなどフルカラーのデータは加工へ進行できないため、完全データで入稿する場合はPSDファイル、AIファイル、PDFファイルに限定させていただきます。
パスを含むデータ・効果を使用したデータは必ずラスタライズを
Adobe Illustratorなどを含むグラフィックソフトを使用し、パスを含むデータや、スウォッチ登録したパターン柄などの効果を使用したデータでラスタライズ(=1枚の画像データにすること)をしていないと、ご希望の仕上がりにならない可能性があります。
30点以上のご注文で色指定可
1色につき30点以上でご注文いただいた場合、基本色に加えてDICやPANTONEによる色指定をしていただけます。
1色につき30点以下の場合に色指定されたい場合は、調色(色作り)のためプリント代に追加で税込1,650円頂戴しております。ご希望の場合はその旨を「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。(DICの伝統色は日本のみの対応となります。DICグレイトーン等廃版カラーの色指定はできません。)
なお蛍光色の場合は、決済時の金額とは別に、1枚1箇所あたりプラス税込@110円を頂戴しております。
ご請求金額の変更については、ご注文サポートセンターより改めて連絡させていただきます。(ご注文時には加算されておりません)
- 上記掲載の色見本と実物では色合いが若干異なります。
- 乾いたインクには伸縮性がありません。生地を引っ張ったり、きつく折り曲げたりすると印刷のヒビ割れ、ハガレの原因となります。
- ポリエステル系の生地では、日が経過するとプリント面に生地の色が出てしまう逆昇華現象が発生する場合があります。
- ドライクリーニングはできません。ドライクリーニングが必要な場合は他のプリント方法をご選択ください。
- 加工特性上、同じデザインで入稿いただいた場合でも、温度や湿度、加工機の個体差により仕上がり色に違いが出る場合があります。
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版代不要版代不要製版コストの削減で版代無料が実現!
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1点から対応1点から対応版代無料だから1点からのご注文もお得に!
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生地色自由生地色自由ホワイトからブラックまでどんな生地色でも使えます!
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特色指定可特色指定可30枚以上のご注文でDIC・PANTONEでの特色指定が可能です
基本指定色(30枚以上のご注文なら特色含む色指定可)
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ブラック
DIC581B -
グレー
DIC546 -
パープル
DIC257 -
ピンク
DIC047 -
レッド
DIC197 -
オレンジ
DIC161 -
イエロー
DIC125 -
フォレスト
DIC380 -
グリーン
DIC638 -
ネイビー
ブルー
DIC435 -
ロイヤル
ブルー
DIC220 -
サックス
DIC181 -
ホワイト
DIC583 -
ゴールド
メタリック
DIC620 -
シルバー
メタリック
DIC621
版の再利用について
従来の版の再利用はできません
この「簡易シルクスクリーン」は版の製法が従来の「シルクスクリーンプリント」と異なります。そのため、過去ご注文いただいた版の再利用や、「シルクスクリーンプリント」の版を「簡易シルクスクリーン」でご利用頂くことはできかねますので予めご了承ください。
ご入稿はインク色ごとに
インクの色は一度のご入稿で1色のみ対応しております。
同じデザインでも異なるインク色をご希望の場合は、新規にご入稿のうえインクの色をご指定ください。
色の表現について
デザインデータの色について、PCやスマホのモニターでは色域の広いRGBで表現しますが、実際のプリントは色域の狭いCMYKで表現します。そのため、RGB色域の鮮やかな色はCMYKでの近似色に置換されることになります。 またRGBで作る色は光の掛け合わせですがCMYKで作る色は実際のインクの掛け合わせになりますので、ご希望の色よりも発色度合や色彩度・明暗度等が異なってプリントされることがあります。また生地の種類によっても仕上がりカラーに差異が生じます。
オリジナルプリント.jpでは、色の表現精度向上のため様々な取り組みを進めておりますが、色の忠実な表現について、ご希望にお応えできない場合があることを予めご容赦ください。
オリジナルプリント.jpでは、お客様のデザインを最高の形で再現するために、専任スタッフがデータチェックを行っています。安心してデータをご入稿ください。
IV. 素材とツール、加工機のご紹介
シルクスクリーンプリントは、様々な素材に印刷できることが大きな魅力の一つです。ここでは、代表的な印刷可能素材と、シルクスクリーンプリントで使用されるツール、加工機について簡単にご紹介します。その他の素材への印刷をご希望の場合は、お問い合わせください。
印刷できる素材
シルクスクリーンプリントは、インクが素材に直接定着するため、多様な素材への印刷が可能です。
- 布: Tシャツ、トートバッグ、パーカー、タオルなど、様々な布製品に印刷できます。素材によってインクの乗り方が異なるため、仕上がりや風合いも若干異なります。
- 紙: ノートなどの紙製品に印刷できます。
- プラスチック: タンブラーなどのプラスチック製品に印刷できます。耐久性が高いプリントが可能です。
- その他: 金属、木材、ガラス、皮革などにも印刷可能です。特殊なインクや加工が必要な場合もあります。
シルクスクリーンプリントで使用されるツールと機器
シルクスクリーンプリントには、専用のツールがいくつか使用されます。
- スクリーン: メッシュ状の版のこと。素材やインクに合わせて適切なメッシュ数を選択します。
- スキージー: インクをスクリーンに押し付けるためのゴム製のヘラ。
- インク: 素材や用途に合わせて様々な種類のインクがあります。
- デジタル製版機:スクリーンにデザインを転写します。
- 感光乳剤: スクリーンに塗布し、露光することで版を作るための薬剤。
- 露光機:スクリーンを感光させてデザインを焼き付けます。
- スクリーン洗浄機:露光させたスクリーンを水洗浄して、メッシュにつまったカスを取り除きます。従来より水使用量が少ない環境に配慮したマシンです。
これらのツールと機器を適切に使用することで、高品質なシルクスクリーンプリントを作成することができます。
シルクスクリーンプリントで使用される加工機
- 手刷り印刷機: 小~中ロットまで対応。
- 12面のオートスクリーン印刷機: 12枚の自動プリントが可能。中~大ロットまで対応。
- 長台自動シルクスクリーン印刷機: 50枚の自動プリントが可能。大ロット対応。
V. よくある質問
シルクスクリーンプリントに関するよくある質問をまとめました。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
シルクスクリーンプリントについて
30点以下の場合に色指定されたい場合は、調色(色作り)のためプリント代に追加で税込1,100円頂戴しております。
ご希望の場合はその旨を「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
※DICの伝統色は日本のみの対応となります。DICグレイトーン等廃版カラーの色指定はできません。
なお蛍光色の場合は、決済時の金額とは別に、1枚1箇所あたりプラス税込@110円を頂戴しております。
ご請求金額の変更については、ご注文サポートセンターより改めて連絡させていただきます。
※ご注文時には加算されておりません。
※『IMシルクスクリーンプリント』の場合、調色代を税込1,650円頂戴しております。
「123C」のように色番号の後ろにcoatedの「C」がついた番号になります。より近い色味を表現したい場合はcoated色見本でご確認ください。
なお、版を共用してインクカラーを変更の場合には別途有償にて承ることができます。
ご希望の場合にはお問合せフォームよりお問い合わせください。
- 前回のご注文と同じデザインであること
- 前回ご利用時(前回注文の出荷日)から1年以内であること
- 前回ご注文と同じアイテム(素材)へのプリントであること
- 前回ご注文と同じプリント位置であること
- 前回ご注文と同じ加工範囲であること
この版を作成するための費用として『版代』を頂戴しています。
(*版代:1版につき税込8,250円)
版代がかからないため1点から低価格でシルクスクリーン印刷が利用いただけます。
データ作成について
入稿について
仕上がりについて
価格について
納期について
上記以外のご質問は、お問い合わせページよりお問い合わせください。
VI. 用語集
シルクスクリーンプリントで使われる専門用語を解説します。
- 網点 (あみてん): ハーフトーンを表現するために用いられる、小さな点の集合体。網点の密度を変えることで、色の濃淡を表現します。
- 版 (はん): インクを透過させる部分と透過させない部分を定めた型。シルクスクリーンプリントでは、スクリーンに感光乳剤を塗布して作成します。
- 版ズレ (はんずれ): 多色刷りの際に、版の位置がずれてしまう現象。デザインのズレとして現れます。
- ベクターデータ: 数式で表現された図形データ。拡大縮小しても画質が劣化しません。Adobe Illustratorなどで作成できます。
- ハーフトーン: 網点を使用して色の濃淡を表現する技法。写真のような階調表現を可能にします。
- CMYK: シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(blacK)の4色のインクの組み合わせで色を表現するカラーモード。印刷で一般的に使用されます。
- dpi (でぃーぴーあい): 「dots per inch (どっど ぱー いんち)」の略。1インチあたりのドット数を表し、解像度の単位として使用されます。数字が大きいほど高解像度です。
- 感光乳剤 (かんこうにゅうざい): 光に反応して硬化する薬剤。スクリーンに塗布し、露光することで版を作成します。
- 露光 (ろこう): 感光乳剤を塗布したスクリーンに、デザインを印刷したフィルムを密着させて光を当てる作業。露光された部分は硬化し、露光されなかった部分は水で洗い流すことで、デザイン通りの版が作成されます。
- スキージー: インクをスクリーンに押し付けて、素材に印刷するためのゴム製のヘラ。
- ラスタデータ (ビットマップデータ): ピクセルの集合体で構成された画像データ。拡大すると画質が劣化します。Adobe Photoshopなどで作成できます。
- ラメインク: 光沢のある粒子を含んだインク。キラキラとした輝きを表現できます。
- 発泡インク: 熱を加えると発泡するインク。立体的なプリントを表現できます。
- 抜染 (ばっせん): 染料を用いて生地の色を抜く技法。濃色の生地に明るい色のデザインを印刷する場合に用いられます。
- メッシュ: スクリーンの網目の細かさを表す単位。数字が大きいほど網目が細かく、細かいデザインの印刷が可能です。
- 特色: CMYKでは表現できない色を、専用のインクを使用して表現する方法。DICカラー、Pantoneカラーなどが有名です。
VII. 補足情報:シルクスクリーンプリントの歴史など
シルクスクリーンプリントの歴史:原理と歴史
シルクスクリーンプリントは、20世紀初頭にイギリスで商業的に確立された比較的新しい印刷技法です。
技術の確立と発展:
シルクスクリーンプリントの起源は諸説ありますが、現代の商業的なシルクスクリーン印刷技術の基礎は、1900年代初頭のイギリスで特許が取られたことに始まります。当時、写真は精度が低く、再現性も低いという課題がありました。そこで、より鮮明で耐久性のある画像を再現する方法としてシルクスクリーン印刷が注目され、急速に発展しました。写真製版技術とシルクスクリーン印刷技術の融合により、大量生産が可能になり、広告やポスター、商品ラベルなど、様々な用途で利用されるようになりました。
シルクスクリーンの名称の由来:
"シルクスクリーン" という名称は、初期の版材として絹が使われていたことに由来します。現在では、絹以外にもナイロンやポリエステルなどの合成繊維が用いられることが一般的ですが、名称はそのまま残っています。
現代におけるシルクスクリーンプリントの役割:
現代では、Tシャツやポスターなどの印刷物だけでなく、電子部品や太陽電池の製造など、様々な分野でシルクスクリーンプリントが活用されています。手作業による独特の風合いや、多様な素材への印刷が可能であることから、アート作品やクラフト作品にも広く利用されています。写真は進化しましたが、シルクスクリーン印刷ならではの風合いや耐久性は他に代えがたく、現代でも重要な印刷技術として位置づけられています。
VIII. 企業の社会的責任(CSR)への取り組みと持続可能な社会の実現に向けて
オリジナルプリント.jpは、環境問題やサステナビリティへの意識向上に伴い、企業の社会的責任(CSR)を果たすべく、環境負荷低減と持続可能な社会の実現に貢献する印刷サービスを提供することに尽力しています。シルクスクリーンプリントにおいても、その製造工程全体を再評価し、環境保全に配慮した持続可能な取り組みを進めています。
環境への配慮:
シルクスクリーンプリントは、インクの使用量が多いため、環境負荷への懸念があります。しかし、近年では、環境に配慮した水性インクや、リサイクル可能な素材の使用など、環境負荷を低減するための取り組みが進められています。オリジナルプリント.jpでも、環境に優しいインクや素材の導入を積極的に検討しています。
従来のシルクスクリーンプリントは、製版工程で大量の水を使用し、排水に有機化合物が含まれるなど、環境負荷の高い側面がありました。オリジナルプリント.jpでは、この課題を解決するため、環境に配慮した最新の洗浄システムを導入しています。このシステムは、従来の手作業による版の洗浄と比較して、半分以下の水量で洗浄を可能にします。さらに、浄化処理した水を再利用する循環システムを採用することで、1枚あたりの水使用量を大幅に削減し、水資源の保全に貢献しています。
また、使用済みのスクリーンは適切に処理・リサイクルすることで、廃棄物削減にも取り組んでいます。
サステナビリティ:
オリジナルプリント.jpは、持続可能な社会の実現に向けて、様々な取り組みを行っています。シルクスクリーンプリントにおいては、版の保存期間を設け、その期間内であれば版代不要で再注文を承っています。これにより、お客様は低コストで再プリントが可能となり、資源の無駄な消費を抑制することに繋がります。
さらに、オリジナルプリント.jpで使用している版の洗浄システムは、バランスの取れた水圧と均一な洗浄により、スクリーンの張力を維持し、スクリーンの寿命を延ばします。結果として、スクリーンの交換頻度を減らし、資源の有効活用を実現しています。また、このシステムは、短時間でスクリーンを処理できるため、スクリーン1枚あたりの人件費を削減し、生産効率の向上にも貢献しています。これらの相乗効果により、高品質な製品をより環境に優しく、そして持続可能な方法で提供できる体制を構築しています。