リング精紡機は、その名の通り金属のリングを通過させる紡績方法!
高速回転するリング部分を粗糸が通過するこによって、糸全体に機械的に均一の撚りをかけることができるため、非常に生産性が高い精紡機です。
なんと約200年の歴史があり、生産性が高いだけではなく、糸の繊維も均一で強さがあることから日本のTシャツでは、ほとんどがリング糸だと言われています。
耐久性に優れている滑らかなリングスパン糸は、他の糸よりも洗濯や脱水のダメージに強く、皺にもなりにくいことが大きな特徴です。
細い糸から太い糸まで作れることも、普及した要因ではないでしょうか。
リングスパン糸からさらに加工され、研ぎ澄まされた糸です。
加工工程の違いで名前がかわります。もちろん名前だけではなく特徴も変わってきます!
・カード糸
Tシャツに使用する糸では、もっともスタンダードなものがこのカード糸。
リング糸が作られる基本工程で出来上がる糸のことで、カーディング工程で取り除かれる短い繊維が5%と少ないため、あまり光沢はなく毛羽立ちも多くなっています。
そのため着心地は、シャリ感といわれる硬めのサラッとした、清涼感のあるラフな感じになります。
取り除かれる部分が少ないため、コストパフォーマンスの良いお手頃な糸として重宝されています。
アメリカではこの糸の方がTシャツとして好まれているそうです!
・コーマ糸
カーディング工程で、糸としては不十分な短い繊維を除去するのですが、コーマ糸はその後さらに機械を通して約20%の除去をおこない、良質な部分だけで仕上げられた高級糸。
その機械がコーマ(櫛)機というい機械で、工程をコーミングというため、コーマ糸と呼ばれています。
工程が増えている分、カード糸よりも高価になりますが、平行度も増しているため糸の強度も上がっており、丈夫で毛羽立ちもなく、光沢をもっていることが特徴です。
Yシャツで使用されることが多いですが、着心地の良さからTシャツに使用されることも多いです。
・セミコーマ糸
簡単にいうとカード糸とコーマ糸のいいとこどりな糸!
コーマ糸のようにコーミング工程をおこないますが、取り除かれる対象は半分の約10%。コーミングをおこなっている分、カード糸より毛羽立ちやザラつきが抑えられ光沢がでます。さらに、コーマ糸よりも取り除かれる繊維が少ないぶん安価に作れることが特徴です。
実は、このセミコーマ糸というランクは日本と中国でしかないのだそう!
他の国でセミコーマの糸を作ってといっても通じないのだとか。面白いですね。それだけ日本と中国は安くて高品質なモノづくりを追及しているということ。
私たち買い手にとってはとっても嬉しいことですね。
文章よりも画像で見たほうが感じが伝わると思うので、実際にカード糸、コーマ糸、セミコーマ糸を使っているTシャツなどを見てみましょう!
〈カード糸を使ったグッズ〉
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〈セミコーマ糸を使ったグッズ〉
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触っていただけないのが悔しいですが、どのグッズもそれぞれの良さがあって改めて糸のすごさを感じます!
次のページではもう一つの紡績糸「オープンエンド糸」についてまとめてみます!