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DTFプリントを選ぶ際、多くの方が「洗濯に強い」「色が鮮やか」といったメリットに注目しがちですが、実は印刷後のプリント部が生地から浮いてしまう・剥がれてしまうというトラブルもあります。ここで言う“耐久性”とは、転写後に生地上でプリントが“密着し続けられるか”を意味します。
例えば以下のようなデザインは、耐久性が低くなる傾向があります。
- 線が細すぎて圧着面積が小さい
- 小さな文字、特に1cm以下の細字
- 鋭利な形状、尖った角を多く持つデザイン
- デザインの面積自体が小さいワンポイント
これらは、生地の「伸び」「ねじれ」「摩擦」が発生した際に、プリント部の“端”が少ない接触面積で支えられており、徐々に「浮き」→「剥がれ」に繋がりやすいのです。実際に別社のデザインガイドでも「1mm以下の線は印字できない・剥がれやすい」と注意されています。
生地にプリントした直後は平坦に見えても、着用・洗濯を繰り返すと、以下のような力がプリント部に加わります。
- 引っ張り/伸縮:Tシャツやパーカーは着脱・体の動き・洗濯で伸び縮みします。
- ねじれ/折れ:腕を上げる、座るなどで生地がねじれると、プリント部も曲がります。
- 摩擦/擦れ:洗濯槽の中や衣類同士の接触でプリント面が擦られます。
こうした力が加わったとき、デザインの“端”や“細部”には応力(=力の集中)が起きやすくなります。つまり「接触面積が小さい」「角が鋭利でエッジがある」デザインは応力集中を起こし、生地からプリントが浮きやすくなる」のです。角を丸め・面積を増やすことは、応力を分散させてプリントが生地から剥がれにくくなるという理屈につながります。
では実際に、どのようなデザインを意識すれば“浮き・剥がれ”を防ぎやすくなるのでしょうか。以下に具体的なポイントをまとめます。
- 線を太め(目安1mm以上)にする:圧着面積が増え、接着強度が高まります。
- 文字を大きめ&太字にする:細字になるほど細部から生地との接着が弱くなります。
- 角を丸める(角R加工):エッジを減らすことで応力集中を避けられます。
- 面積を広めに確保する:小さいワンポイントより薄く広くプリントする方が安定性が高まる場合があります。
- 形状を単純化/細部を詰めすぎない:細かすぎるパーツや極端な鋭角は避けましょう。
加えて、素材・生地の伸び率・転写条件も関係しますが、まずは“デザイン形状”を意識することで耐久性の土台を整えましょう。
以下は、同じロゴを“剥がれやすいデザイン”から“耐久性を高めたデザイン”に改善した図です。
- 改善前:細く尖ったロゴ線、小文字・細字、角が尖っている、ワンポイントで小面積。
- 改善後:線を太く、角を丸め、文字を太字&読みやすく、少し大きめに配置。
- デザインデータ作成時に線幅・文字サイズを確認(線幅1mm以上、文字1cm以上目安)
- 角が鋭利になっていないか確認(角R1mm以上を検討)
- 生地の伸び率・素材を考慮(Tシャツ/パーカーの伸縮性)
- 転写後のプリント部が浮いていないか、サンプルで確認
- 洗濯・着用環境を想定し、接着面が少なすぎないか・細部が多すぎないかを検討
当社 オリジナルプリント.jp では、DTFプリント対応の以下アイテムをご用意しています。デザイン耐久性を意識したプリントを、ぜひこれら素材でご検討ください。
また、ご家庭で気軽に転写できるDTFシート「MARK Deco(マークデコ)」も販売中です。手元のアパレル製品などに、自分でデザインを転写して楽しむことも可能です。
- Q. DTFプリント後、「浮き・剥がれ」が起きやすいのはなぜ?
- A. 生地の伸縮・ねじれ・摩擦により、接着面が小さい・角が尖ったデザインでは応力集中が起こり、プリント部分が徐々に浮いてきます。形状を見直すことが重要です。
- Q. 細い線や小さい文字は完全にNG?
- A. 完全に避ける必要はありませんが、耐久性を重視するなら線幅を太く・文字を大きく・余白を確保するなどの工夫を推奨します。
- Q. 角丸化や面積を広くすることはデザイン性と矛盾しますか?
- A. デザイン性を損なわず、角をR加工したり少し余白を持たせたりすることで、見た目と実用性のバランスをとることが可能です。
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